テレビ番組「ザ!世界仰天ニュース」で取り上げられ再注目された23億円もの大金を横領した事件。
マジメだった坂本芳信受刑者が長野県建設業厚生年金基金から横領した金額は、普通のサラリーマンの生涯年収を遥かに超える巨額です。
この事件は、日本中に衝撃を与えましたが、なぜこれほどの大金を横領できたのか?
そして、そのお金はどのように使われたのか?その実態をまとめました。
坂本芳信の手口:なぜ23億円の横領はバレなかったのか?
ザ・世界仰天ニュースで取り上げた事件をおさらいしましょう。
2005年から2010年にかけて、長野県建設業厚生年金基金の事務長であった坂本芳信が、基金の管理を一手に任されていた立場を利用して、約23億8700万円を横領した事件です。
この事件は、日本の年金制度に対する信頼を揺るがす大事件となりました。
坂本芳信が横領を行った背景には、いくつかの要因が絡んでいます。
以下にまとめました。
一人に任された資金管理
坂本芳信は、長野県建設業厚生年金基金の事務長として、200億円近い基金の運用と管理を一手に任されていました。
本来、このような巨額の資金管理には、複数の担当者や監査役を置くのが一般的です。
しかし、真面目で責任感のある人物と評されていた坂本には監視役が付けられず、一人で資金管理を行っていたのです。
杜撰な監査体制
基金の監査体制にも問題がありました。
資金の流れをチェックする仕組みが不十分で、坂本が独断で資金を動かすことができる状態が続いていました。
通常なら発覚するはずの異常な資金移動が見過ごされていたのです。
坂本が手掛けた運用の多くは外部の監査も行われず、その結果、巨額の不明金が長期間にわたって発覚しなかったのです。
信頼の裏切り
坂本は、日常生活や職場での振る舞いから「本当に品がある人」と周囲に思われていました。
真面目で礼儀正しい彼に不正を疑う人は少なく、その信頼が不正を隠す大きな要因となっていたのです。
彼の「信頼」は、彼の不正行為をカバーする最大の盾となっていました。
坂本芳信驚愕の豪遊生活の実態
坂本芳信が横領した23億円は、どのように使われたのでしょうか。その使い道は驚くべきものでした。
高級ファッションアイテムと時計
坂本芳信は、横領した金で高級オーダーメイドのスーツやブランド時計を購入していました。
例えば、1着300万円のスーツや1500万円の高級時計など、普通の生活では考えられない贅沢品を手に入れていました。これらの高級品は彼の豪遊生活の象徴となっていました。
豪華な飲食と贅沢な外食
高級レストランでの飲食や、大勢の人々を招待した豪華な宴会も彼の生活の一部でした。
毎日のように高級クラブに通い、接待や飲食に巨額を費やしていたのです。
坂本の一日の食費だけでも、多くの人が生活するのに十分な金額だったことでしょう。
贅沢な海外旅行
坂本芳信は、横領した資金を使ってハワイへ社長と偽って何度も行っていました。
1回の旅行費用は数千万円にも上り、彼は自分が気に入った人々を連れて頻繁に海外旅行を楽しんでいました。
愛人への高額な贈り物
愛人に高級腕時計を贈ったり、関係を持った女性に1000万円のチップを渡したりと、異常なほどの金額を浪費していました。
坂本はタイに愛人を持ち、その生活を支えるためにも多額の金を費やしていたようです。
クラブ経営やその他の投資
六本木でクラブを開業するための出資や、女性たちとのビジネス関係にも横領金を使っていました。
彼は横領した資金を利用して、自分のステータスを維持するための投資を行っていたのです。
逃亡から逮捕までの経緯
横領が発覚しそうになった2010年、坂本芳信は大金を持ってタイに逃亡しました。
タイでは高級ホテルに滞在し、贅沢な生活を楽しんでいましたが、その生活も長くは続かず、所持金が底を尽いたことで困窮しました。
最終的にはタイ警察に拘束され、日本に送還されて逮捕されました。逮捕時の所持金はわずか1万円程度だったと言います。
坂本芳信受刑者の現在は?
坂本芳信は、2014年の裁判で懲役15年および追徴金430万円の判決を受け、現在は刑務所で服役中です。
彼の出所予定は2029年であり、まだ数年間の刑務所生活が残っています。
67歳となった坂本は、刑務所内で厳しい規律の下で過ごしています。
刑務所内での作業や職業訓練に参加しており、自己の経験や能力を活かして作業に取り組んでいると思われます。
坂本芳信の逮捕は、家族にも大きな影響を与えました。
彼には妻と2人の息子がいましたが、逮捕後、妻とは離婚に至り、家族関係は崩壊しました。
規則正しい生活の中で、彼は自らの行為を反省し、再出発に向けて準備をしているはずです。
出所後、彼がどのような人生を歩むのかはまだ不透明ですが、同様の過ちを繰り返さないためにも、社会における更生支援が重要となるでしょう。
まとめ:事件の教訓
この事件は、一人の担当者に多額の資金管理を任せることの危険性と、不正行為を防ぐための監査体制の重要性を教えてくれます。
坂本受刑者の行動は、欲望と金銭への執着がどれほどの悲劇を生むかを示しており、組織における適切な管理とチェックの欠如がどれほどのリスクを伴うかを如実に示しています。
坂本芳信の23億円横領事件は、彼の贅沢な生活と組織の杜撰な管理の結果として、社会に大きな衝撃を与えました。
このような事件が二度と起こらないようにするためには、組織全体の監査体制の強化と、個人の倫理観の向上が不可欠です。
※この記事の出典は、長野横領事件に関する各種報道および資料によります。