世界中でカルト的な人気を誇るスロベニア出身のロックバンド「ライバッハ(Laibach)」。
彼らは音楽だけでなく、アートや政治、そして社会問題を鋭く取り上げることで知られていますが、特に話題となったのが2015年に北朝鮮で行った歴史的なライブです。
このライブは映画にもなり、テレビ番組でも取り上げられ、多くの人々の関心を集めました。
今回は、ライバッハがどのようなバンドなのか、その曲や現在の活動を紹介しつつ、彼らの独自の魅力に迫ります。
北朝鮮で世界初のライブをしたロックバンド・ライバッハとは?
ロックバンド・ライバッハとは?
ライバッハは、1980年に旧ユーゴスラビア(現スロベニア)のトルボヴリェで結成された音楽グループです。
バンド名は、スロベニアの首都リュブリャナのドイツ語名「Laibach」に由来しています。
彼らは音楽を中心に活動しつつ、視覚芸術やパフォーマンスアート、政治的なメッセージを組み合わせた「総合芸術(Gesamtkunstwerk)」というスタイルを持っています。
彼らの音楽は、インダストリアル・ロックやエレクトロニカ、シンフォニックな要素を取り入れた独特のサウンドであり、しばしばナチスドイツや共産主義政権を思わせる軍隊的なパフォーマンスや美学を使用しています。
このため、ライバッハはしばしば「ファシズムを美化している」と批判されますが、実際にはこれらのスタイルを皮肉的に利用し、政治体制を批判するメッセージを発信しているのです。
初期からライバッハは論争に包まれ、特に旧ユーゴスラビア、そしてスロベニア社会主義共和国の政治当局から強い反発を引き起こしました。
ボーカルシンセサイザーは女性のミーナが紅一点。
関連HPやSNSは下記です。
プラットフォーム | URL |
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HP | laibach.org |
facebook.com/Laibach | |
twitter.com/laibach | |
instagram.com/laibachofficial |
ライバッハの代表曲
ライバッハは、その独特な音楽スタイルと政治的なメッセージで、世界中に強烈な印象を与えてきました。
彼らの代表曲をいくつか紹介します。
Geburt einer Nation (Opus Dei)
ライバッハの最も有名な作品の一つです。
クイーンの「One Vision」を大胆にカバーしたこの曲は、ライバッハの最も有名な作品の一つです。
オリジナルのロックアンセムを軍歌風に再構築し、ファシズムや権力に対する鋭い風刺が込められています。
Sympathy for the Devil
ローリング・ストーンズの名曲のカバー。
オリジナルのエネルギーはそのままに、ライバッハらしいダークな解釈が加わったバージョンとなっています。
The Sound of Music
北朝鮮で披露された映画『サウンド・オブ・ミュージック』のカバーは、ライバッハの象徴的なパフォーマンスの一つです。
西洋文化と北朝鮮の独自の政治的状況を重ね合わせた意味深な演奏でした。
映画にもなったライバッハの北朝鮮ライブ
ライバッハが世界的に注目を集めたのは、2015年に北朝鮮でライブを行ったときのことです。
これは、北朝鮮の首都平壌で行われた「祖国解放70周年記念式典」で、欧米のロックバンドが初めて同国で公演を行うという前代未聞の出来事でした。
映画『北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ』
この北朝鮮でのライブは、後にドキュメンタリー映画『北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ』としても公開されました。
この映画は、2015年の北朝鮮公演を追ったもので、ライバッハのメンバーが北朝鮮当局と対話しながら、どのように公演を実現させたかを描いています。
映画では、政治体制が音楽とどのように交錯するかが浮き彫りにされ、ライバッハの挑戦的な姿勢が強調されています。
映画内では、北朝鮮で最も有名な民謡「アリラン」もライバッハがカバーし、観客に驚きを与えました。
さらに、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の曲が、プロパガンダとして利用されることの象徴性を通じて、自由と抑圧の対立を暗示的に描き出しています。
『世界まる見え!ポンコツさん大集合SP』でも紹介
このライブの件は、日本のテレビ番組され、その過激な内容が視聴者を驚かせました。
番組では、ライバッハが北朝鮮で直面した様々な困難を紹介。
機材不足や衣装規制、さらにはライブ直前にセットリストの変更を要求されるなど、厳しい環境下でのパフォーマンス。
打ち合わせの時は、OK.OKといいながら、マイクがない、スタンドがない。
プロモーション撮影の際に、頭巾を外す外さないの問題も。
無事にライブは出来けど、観客は無反応。
ライバッハのライブ史上最も盛り上らないものになったそうです。
現在のライバッハの活動
ライバッハは、2020年代に入ってもその鋭い政治批判と音楽の融合を続けています。
2023年には、映画『Iron Sky: The Coming Race』のサウンドトラックを担当し、再び注目を集めました。
また、彼らの過去の代表作『Nova Akropola』がリマスターされ、ファンにとって貴重なコレクターズアイテムとなりました。
さらに、2024年にはアルバム『Opus Dei』が新たにデザインされたカバーで再リリース。
ライバッハの活動は音楽にとどまらず、彼らは常に社会や政治に対して批判的な視点を持ち続け、世界中で影響力を持っています。
まとめ
「北朝鮮でライブを行ったロックバンド「ライバッハ」とは?曲や現在の活動がすごい!」をテーマにまとめました。
テレビで紹介された北朝鮮でライブを行ったのは、「ライバッハ」です・
ライバッハは、単なる音楽グループを超えた存在です。
現在、彼らの活動は、音楽、アート、政治を融合させ、私たちに問いかけ続けています。
彼らの挑戦的なスタンスは今後も変わることなく、これからも私たちに新たな視点や考えを提供してくれることでしょう。
ライバッハが次にどのようなプロジェクトに取り組むのか、彼らの未来にも注目していきたいところです。