建築ファンには有名ですが、NHKのあさイチではじめて知ったという方もいると思います。
妹島和世(せじま・かずよ)さん。
世界的に活躍する女性建築家として知られ、代表作には「金沢21世紀美術館」「ロレックス・ラーニング・センター」「ルーヴル・ランス」などが挙げられます。
一方で、「妹島和世 代表作」と検索すると「パチンコ店」が出てきて驚いた方もいるのではないでしょうか?
この記事では、妹島和世さんの代表作・経歴・学歴・受賞歴を、建築初心者の方にも分かりやすく1ページでまとめました。
目次
妹島和世の代表作は?パチンコ店の真相から世界的建築まで
初期代表作:パチンコパーラー I・II・III
妹島和世さんが独立した1980年代後半〜1990年代、茨城県日立市などで設計したパチンコ店(パチンコパーラーI〜III)が建築界で話題になりました。
ガラスやアクリルを多用した透明感ある外観、複数の入口や光の取り込み方など、のちの美術館建築に通じる実験的な要素が詰まっています。
「パチンコ屋=代表作」という表現は少し誤解ですが、建築思想の原点を示す重要な初期作品群であることは確かです。
世界的に知られる代表作ベスト3

妹島和世と西沢立衛によるSANAA(サナア)の代表作は、世界中で高く評価されています。
- 金沢21世紀美術館(2004/石川県)
円形の平面と全面ガラスによる「街に開かれた美術館」。国内外から来館者が絶えない人気施設。 - ロレックス・ラーニング・センター(2010/スイス)
起伏する床スラブと広大なワンルーム空間で「学びと交流の場」を実現。 - ルーヴル・ランス(2012/フランス)
ガラスとアルミを用いた水平ボリュームで、歴史ある街並みに調和。地域再生の象徴にも。
この3つは「妹島和世の代表作」として必ず挙げられる建築です。
その他の注目作品
- ニューミュージアム(2007/ニューヨーク)
箱を積み重ねたような外観が特徴。 - すみだ北斎美術館(2016/東京)
アルミパネル外装と切り込みのような開口で街とつながる。 - 荘銀タクト鶴岡(2017/山形)
重なり合う小屋根で周囲の山並みや歴史的景観と呼応。
妹島和世の学歴と経歴や受賞歴は?
学歴経歴
- 1956年 茨城県日立市生まれ。
- 1979年 日本女子大学 家政学部住居学科 卒業。
- 1981年 日本女子大学大学院 修了。
- 1981〜1987年 伊東豊雄建築設計事務所に勤務。
- 1987年 妹島和世建築設計事務所を設立。
- 1995年 西沢立衛と共同でSANAA(サナア)を設立。
現在は設計活動に加え、横浜国立大学Y-GSA教授、ミラノ工科大学教授など教育者としても活躍しています。
妹島和世の主な受賞歴
- プリツカー賞(2010/SANAA)
建築界のノーベル賞と呼ばれる栄誉。 - ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展 金獅子賞(2004/SANAA)
- 日本建築学会賞、紫綬褒章、芸術文化勲章オフィシエなど多数。
- RIBA ロイヤル・ゴールド・メダル(2025/SANAA)
英国王立建築家協会からの最高位の賞。
妹島和世の建築思想とは?
妹島和世の作品には一貫したテーマがあります。
- 透明性と開放性 – ガラスや薄い壁で境界を曖昧にする。
- 都市・風景との調和 – 建物を環境の一部として考える。
- 一体的で可変的な場 – 用途を横断し、人の回遊を促す。
これらの特徴が、金沢21世紀美術館やロレックス・ラーニング・センターで明確に表現されています。
まとめ
- 妹島和世は日本を代表する女性建築家で、世界的に高く評価されています。
- 初期に設計したパチンコ店は「原点」として注目されますが、現在の代表作は美術館・公共建築が中心。
- 金沢21世紀美術館/ロレックスLC/ルーヴル・ランスが三大代表作。
- プリツカー賞やRIBAゴールドメダルなど、数々の国際的な栄誉を受賞。
今も国内外で多数のプロジェクトを抱え、建築界の第一線を走り続けています。
<※参照 一部>
- 金沢21世紀美術館 公式サイト
https://www.kanazawa21.jp/ - EPFL ロレックス・ラーニング・センター(公式紹介ページ)
https://www.epfl.ch/campus/art-culture/rolex-learning-center/ - ルーヴル・ランス(Musée du Louvre-Lens 公式)
https://www.louvrelens.fr/ - SANAA 公式サイト(妹島和世+西沢立衛)
https://www.sanaa.co.jp/
