2024年6月11日に放送の「マツコの知らない世界」で、筑波大学医学医療系教授の櫻井武先生が食欲の謎についてわかりやすく解説。
医学博士である櫻井先生は、睡眠や食欲の研究で多くの功績を挙げており、今回の放送では、食欲のメカニズムや食事術について紹介。
本記事では、櫻井先生の著書をもとに、櫻井先生の経歴や食欲に関する興味深い知見についてお伝えします。
マツコの知らない世界に出演の櫻井武教授の経歴
マツコの知らない世界ではじめて櫻井武教授を知ったという方もいると思います。
略歴を紹介しますね。
櫻井武教授は、1964年5月17日、東京都出身です。
筑波大学で医学の研究に携わり、現在は筑波大学医学医療系の教授として活躍中。
また、国際統合睡眠医科科学研究機構(WPI-IIIS)の副機構長も務めています。
櫻井教授は、特に睡眠や食欲に関する研究で知られ、その功績により多くの賞を受賞しています。
主な受賞歴には、国際神経内分泌学会優秀論文賞、つくば奨励賞、安藤百福賞大賞、中日文化賞、文部科学大臣表彰科学技術省、第2回塩野賞、第32回つくば賞などがあります。
これらの賞は、櫻井教授の医学分野への貢献が高く評価されていることを示しています。
マツコの知らない世界の櫻井武教授の話の超要約
現代社会では、食事が単なる栄養補給の手段以上の意味を持ち、「快楽の食欲」として表現されるような傾向が見られます。
自分へのご褒美としての食事や、〆のラーメン、デザートなど、食事の役割が多様化しています。
しかし、こうした現象には注意が必要です。
食欲の快楽とその影響
- ドーパミンによる快楽
美味しいものを食べると、脳内でドーパミンが分泌されます。
これにより「気持ちいい」という感覚が残り、その快感が病みつきになることがあります。 - 急激な食環境の変化:
近年の食環境の変化に人類の体が追いつけていないため、食事環境と人の体のギャップが肥満の原因となることがあります。
櫻井教授の「食欲を抑える食べ方」
櫻井教授によれば、食欲をコントロールするためには以下のような方法があります。
- ながら食いを避ける
食事中にYouTubeなどを見ながら食べると、無意識に多く食べ過ぎてしまいます。
食べ物と向き合い、食事に集中することが大切です。 - 食事に集中する
しっかりと食事に集中することで、食べ終わるまでに時間がかかり、その結果、満足感を得やすくなります。
満腹中枢が刺激されるのは食べ始めてから10分ほど経ってからなので、ゆっくり食べることがポイントです。
体重管理と食欲コントロール
- 体重のチェック
日本では、痩せる必要のない人が体重を頻繁に測る一方で、本当に体重を管理する必要がある人が測っていないケースがあります。
体重を管理するためには、定期的なチェックが重要です。 - 睡眠時間の確保:
睡眠不足は食欲の増加と関連しており、十分な睡眠を取ることがダイエットに役立つとされています。
痩せたい人はしっかりと睡眠をとることが勧められます。
これらのアプローチを取り入れることで、現代社会が生んだ快楽の食欲に対処し、健康的な食習慣を築くことができます。
櫻井教授の研究「食欲のコントロール」
櫻井教授の研究によると、食欲は脳の視床下部が管理しているそうです。
視床下部には「満腹中枢」と「摂食中枢」という2つのエリアがあり、これらが食欲を調整しています。
例えば、体脂肪が減ると食欲が増し、逆に体脂肪が増えると食欲が抑制されるというメカニズムがあります。
これは体脂肪を一定に保つための脳の働きです。
櫻井教授の著書「食欲の科学」では、このメカニズムがわかりやすく説明されています。
体脂肪を減らしたい場合、食欲をうまくコントロールすることが重要です。
脳食欲抑制の食事術
食欲を抑えるためには、いくつかの方法があります。その鍵を握るのが「レプチン」と「グレリン」というホルモンです。
レプチンは体脂肪から分泌され、食欲を抑える役割を果たします。一方、グレリンは胃から分泌され、食欲を刺激します。
レプチンが正常に働けば、食欲をうまく抑制できます。
しかし、肥満者は通常よりも多くのレプチンを分泌しているにもかかわらず、食欲を制御できないことがあります。
これを「レプチン抵抗性」といい、肥満の一因となります。これを防ぐためには、食事の際にしっかりと噛むことや、ゆっくり食べることが推奨されています。
また、水分をしっかり摂ることで、食欲を抑制するホルモンの分泌が促進されます。
食前に水を飲むことで、過剰な食欲を防ぐことができるのです。
リバウンドする衝撃理由
ダイエット後に体重が元に戻ってしまうリバウンドの理由も、櫻井教授の研究で明らかになっています。
リバウンドは「レプチンの減少」と「代謝の低下」が関係しています。
ダイエットで体脂肪が減少すると、レプチンの分泌が減り、食欲が増します。
また、基礎代謝も低下するため、同じ食事量でも体重が増えやすくなるのです。
このため、無理な食事制限ではなく、適度な運動とバランスの取れた食事が大切です。
急激な減量は避け、徐々に体重を減らすことで、リバウンドを防ぐことができます。
別腹は存在?
よく「デザートは別腹」と言われますが、本当にそうなのでしょうか?
櫻井教授によると、「別腹」は心理的なものが大きいそうです。
デザートなどの甘いものは、脳内の報酬系を刺激し、ドーパミンが放出されます。
このドーパミンが快感をもたらし、食欲とは別の「食べたい」という欲求を生み出します。
つまり、デザートが食べたいという欲求は、満腹感とは無関係に発生するのです。
この現象を理解することで、食べ過ぎを防ぎ、適度な食事量を保つことができます。
まとめ
櫻井武教授は、「食欲の科学」を通じて、食欲のメカニズムやそれに関する様々な疑問に答えています。
彼の研究は、食欲や体重管理についての新たな視点を提供してくれます。
夏の体型管理やリバウンド防止のために、櫻井教授のアドバイスをぜひ参考にしてみてください。
「食欲の科学」は、食欲やダイエットに興味のある方にとって必見の一冊です。
この本を読むことで、食欲の仕組みを理解し、より健康的な食生活を送るためのヒントが得られるでしょう。