静岡県の川勝平太知事が新規採用の県職員に向けた訓示が、世間の注目を集めていますね。
その中で「県庁はシンクタンクです」という表現が使われ、この発言が物議を醸しています。
では、川勝知事が言及した「シンクタンク」とはそもそも何を指し、なぜこの発言が話題となったのでしょうか？
この記事では、その背景を深掘りしていきます。
川勝平太知事の訓示「シンクタンク」とは？
「シンクタンク」の意味
まず「シンクタンク」という言葉の意味から見てみましょう。
日常生活ではほぼ縁がない言葉ですよね。
シンクタンクは、政策提言や研究を行う機関のことを指します。
政策立案のための調査研究、情報提供、アドバイスなどを行い、その知見を基に社会や政策に影響を与えることが目的です。
政治、経済、社会、科学技術など様々な分野において、専門的な知識をもとにした調査研究を行い、その成果を公共の政策立案や企業戦略、一般社会の啓蒙活動に役立てます。
シンクタンクは、公的機関や民間企業、非営利団体など、様々な形態で存在しています。
つまり、川勝知事が県庁をシンクタンクに例えたのは、県の行政が積極的に情報収集や研究を行い、静岡県の発展のために知恵を絞っていることを強調したかったのでしょう。
川勝知事のシンクタンク発言が引き起こした波紋
しかし、この発言が物議を醸したのは、一部の表現が職業差別にあたるとの指摘があったからです。
川勝平太知事は訓示で、「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりということと違って、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たち」と述べました。
この発言が、職業による優劣を示唆していると捉えられ、ネット上では批判の声が高まりました。
知事の釈明と辞職表明
批判を受け、川勝平太知事は、記者の取材に応じて釈明しました。
「職業差別は皆無」とし、訓示の意図は新入職員を歓迎し励ますことにあったと説明。
しかし、不快な思いをされた方がいるならば申し訳ないと謝罪の意を示しました。
さらに、この一件を受けて川勝知事は任期途中での辞職を表明。
県庁のような行政機関が、シンクタンクのように積極的な知識創造や情報発信の場となるべきだという理念は、多くの人々にとって魅力的なビジョンでもありますが・・・
問題は、その表現方法にありましたね。
川勝知事の訓示で県内のシンクタンクに注目？
川勝平太知事の訓示でシンクタンクが注目されました。
静岡県内で活動する代表的なシンクタンクや研究機関があるので注目されると思います。
取り急ぎ２つ紹介しますね。
静岡県立大学 グローバル地域センター
グローバル地域センターは、静岡県立大学内に設立された研究施設で、2012年3月に解散した財団法人静岡総合研究機構の機能を継承しました。
この機構は1984年に静岡県内の自治体などの支援を受けて地域のシンクタンクとして設立され、地域開発や産業振興に関する研究活動を行ってきました。
特に、1995年から開催された「静岡アジア・太平洋学術フォーラム」では、国内外の一流研究者が集い、文化や政治経済など様々なテーマについて討議し、研究者間の交流を深める貴重な場となりました。
静岡経済研究所
静岡経済研究所は、静岡県内の経済動向を分析し、地域経済の発展と産業振興を目指して活動している研究機関です。
この研究所では、静岡県の経済状況や産業構造に関する詳細なデータを収集・分析し、その結果をもとに政策提言やアドバイスを行っています。
具体的には、静岡県が直面している経済的課題に対する調査研究、将来の経済展望に関する報告、地域産業の競争力強化に向けた戦略立案など、幅広い活動を展開しています。
また、地域企業の支援にも力を入れており、新しいビジネスチャンスの創出や産業間連携の促進にも貢献しています。
これらの機関は、静岡県における「シンクタンク」としての役割を果たしており、地域の持続可能な発展や社会問題の解決に向けて、重要な知的基盤を提供しています。
静岡県の豊かな自然環境と経済的資源を生かしつつ、これらの研究機関が生み出す知識や技術は、地域の将来に向けた貴重な財産となっています。
まとめ
今回は静岡県の川勝平太知事の訓示で使用した「シンクタンク」という言葉を掘り下げました。
シンクタンクは、政策提言や研究を行う機関のことです。
知事が言いたい事は分かりますが表現方法がまずかったかもしれません。
そして静岡県には、既に様々な分野で活動するシンクタンクや研究機関が存在することも分かりましたね。
何より、社会全体が多様な職業に対して理解と敬意を持つことの大切さを、改めて思い起こさせる出来事となりました。
