「奇跡体験!アンビリーバボー 3時間スペシャル」で12年前に発生した驚愕の冤罪事件を紹介。
この冤罪事件の当事者は煙石博(えんせき ひろし)さん。
彼は広島の元人気アナウンサーであり、「仏のえんちゃん」の愛称で親しまれていました。
この記事では煙石博さんのプロフィールや冤罪事件の内容をまとめました。
アンビリーバボー冤罪事件の煙石博さんのプロフィール
煙石博(えんせき ひろし)さんは、1946年11月2日生まれで広島県広島市出身です。
広島県立広島国泰寺高等学校を卒業し、広島商科大学(現・広島修道大学)を卒業後、
TBS系列の中国放送(RCC)に入社しました。
アナウンサーとしてのキャリアは1971年から始まり、広島弁を駆使した語り口で多くのラジオリスナーの心を掴みました。
「仏のえんちゃん」の愛称で親しまれた彼は、RCCラジオの看板番組『おはようラジオ』や『なんでもジョッキー』で人気を博しました。
長年にわたってラジオパーソナリティを務め、自らも「仏のえんちゃん」と番組で言うなど多くの人々に愛される存在となりました。
俳句や川柳が得意で、ラジオでもリスナーから募集して句を紹介するコーナーが人気でした。
現役アナウンサー時代は、ラジオがメインでテレビは定時ニュースで原稿を読み上げていました。
順風満帆なサラリーマン人生を終えました
しかし、そんな彼に恐ろしい冤罪事件が襲いかかったのです。
アンビリーバボーな煙石博さん冤罪事件の概要
煙石(えんせき)さんの悪夢は、2012年10月11日から始まりました。
この日、広島銀行大河支店で他の客が記帳台に置き忘れた封筒から現金6万6600円を盗んだ容疑で逮捕されたのです。
突然の逮捕と起訴に対して、煙石さんは無実を主張しましたが、一審・二審ともに有罪判決を受けました。
広島地方裁判所では懲役1年、執行猶予3年の判決が下され、広島高等裁判所でも控訴は棄却されました。
銀行に設置されていた防犯カメラが証拠として提出されていまいしたが、肝心の本人が封筒からお金を抜いた映像はありませんでした。
ただ、その時間帯に記帳台に行ったのは、忘れた本人、警備員、煙石博さんの3人。
本人と警備員は防犯カメラでお金を盗んだ形跡はなく、消去法で煙石博さんが犯人と特定されたのです。
封筒には指紋も検出されていませんでした。
無実の証拠を集めましたが、起訴後の裁判の判決の有罪率99.9%の壁は厚かったわけです。
しかし、煙石さんは決して諦めず、最高裁判所に上告しました。
ただ、最高裁判所での無罪判決は過去0.05%。
かなり難しいと言われています。
煙石博さん冤罪の真実と闘い
煙石さんは、無実の罪を訴えるために街頭で支援らと署名活動なども行いました。
また「煙石博さんの無罪を勝ちとる会」も発足され、無実をつかもうと頑張りました。
煙石さんが無罪を勝ち取るために用いた証拠の一つに、防犯カメラの映像がありました。
弁護士と家族が力を合わせて、銀行の防犯カメラの画像を1秒ごとに全てプリントアウト。
その数、1,000枚。
煙石さんが銀行に入ってから出るまでの間で、カメラに映っていない死角の時間を調査。
その結果、死角の時間はわずか数秒だけ。
封筒からお金を抜き出すには6秒以上かかるデータも出していたので、
煙石さんが封筒から札と硬貨で66,600円のお金を抜くことは出来ないことを証明しました!
この映像には、煙石さんが封筒を持ち去る場面や現金を抜き取る場面は一切映っていなかったのです。
また、封筒にはそもそも現金が入っていなかった可能性も指摘されました。
そして、約4年半後の2017年3月10日、最高裁判所は一・二審の判決を破棄し、煙石さんに無罪を言い渡しました。
この無罪判決は極めて異例のものであり、大きな話題となりました。
最高裁で逆転無罪
このような新たな証拠が功を奏し、2017年3月に無罪を勝ち取ったということです。
当時の共同通信は下記のように伝えました。
銀行で現金を盗んだとして窃盗罪に問われた広島市の元アナウンサー煙石博さん(70)の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は10日、「重大な事実誤認がある」と判断し、一、二審の有罪判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。
逮捕から無罪判決が確定するまでの約4年半は、煙石さんとその家族にとって過酷な試練の期間でした。
冤罪がもたらした影響
無罪判決を勝ち取ったとはいえ、煙石さんが受けた精神的なダメージは計り知れません。
逮捕によってアナウンサーとしてのキャリアは断たれ、多くの友人や知人との関係も失いました。
家族も社会から孤立し、冤罪の影響は個人だけでなく家族全体に及びました。
煙石さんは
「冤罪は誰にでも起こりうる」
と強く訴え続けており、その経験をもとに冤罪の恐ろしさを広く伝えるための活動に取り組んでいます。
煙石さんの驚愕の冤罪事件の全貌が再現した「奇跡体験!アンビリーバボー 3時間スペシャル」で
煙石博さん本人のインタビューも数回でていましたが、まさに「仏のえんちゃん」って感じの方でした。
逮捕される前までは、人気アナウンサーだっただけに、近所や街を歩けば普通に挨拶や声かけられたり
握手を求められたりしていましたが、逮捕後はそういうことが無くなりほんと辛かったと話していました。
この放送を通じて、冤罪の恐ろしさと煙石博さんの壮絶な戦いを知ることができました。
無罪確定後、普通の生活に戻り、昔担当していたラジオ局の特番にも出演していたようです。
無罪になっていなかったら、出演できていかなったかもしれませんね。
まとめ
煙石博さんは広島の元人気アナウンサーであり、彼の冤罪事件は社会に大きな衝撃を与えました。
彼の苦しみと闘いの経験は、誰にでも起こりうる冤罪の恐ろしさを浮き彫りにしています。
「奇跡体験!アンビリーバボー 3時間スペシャル」を通じて、その真実を知り、冤罪の恐ろしさについて考える機会になった方も多いはずです。